中国政府は、孔鉉佑駐日大使(63)を月内にも離任させ、後任に呉江浩外務次官補(59)を充てる方針を固めた。呉氏は日本での勤務経験が約10年に上る。孔氏に続く知日派の起用により、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を巡る対立で冷え込む両国関係の安定化につなげる狙いがある。複数の日中関係筋が4日、明らかにした。
関係筋によると、月内にも東京都内で孔氏の離任レセプションを開く。中国側は、孔氏の離任あいさつのため岸田文雄首相との面会を調整。呉氏の起用について、日本政府に同意(アグレマン)を要請している。
呉氏は、1993~98年と2002~08年の2度にわたり在日本中国大使館に勤務し、中国外務省で日本専門家「ジャパンスクール」として知られる。駐スリランカ大使やアジア局長を経て、20年から外務次官補に昇格していた。
孔氏は19年に大使に着任。20年春に予定された習近平国家主席の国賓訪日の調整に当たったが、新型コロナウイルス感染症の拡大で延期になった。(共同)