物価の上昇が続いている。民間調査会社の帝国データバンクによると2月は食品値上げが5000品目を超え、昨年10月に次ぐ規模の「値上げラッシュ」になるという。輸入物価を押し上げてきた急激な円安は落ち着き、原油価格もピーク時から下落に転じているが、物価高はいつまで続くのか。今後の見通しや政府の対策の是非について3人の識者に聞いた。このうち、エネルギー経済社会研究所の松尾豪代表の話は次の通り。
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足元の電気、ガス料金の高騰が経済や社会活動に大きな影響を与えている。政府が導入した負担軽減策は一定の役割を果たすもので評価したい。海外ではエネルギー価格高騰により電気、ガス料金が家計を圧迫。夏・冬に冷房や暖房が使えないなど命に直結する「エネルギー貧困」に直面する家庭が増加し、社会問題になっている。