ソウルからヨボセヨ

今さら〝戦犯企業〟だと?

日韓の外交案件になっているいわゆる徴用工補償問題で日本人として気に障ることがある。補償を要求されている日本の企業について、韓国のメディアがしきりに〝戦犯企業〟と伝えていることだ。戦時中のことを持ち出しそういうレッテルを貼っているのだが、企業ビジネスマンをはじめ在韓日本人は実に不愉快な思いをしている。

まず、過去の歴史がらみで、いまなおそんな言葉を使っているのは世界で韓国のメディアだけだろう。それにもともと対日戦勝国でもない韓国で、最近になって日本に対し戦犯、戦犯…といいつのる不思議さ。映画やドラマ、メディア報道などで日本統治時代の独立運動が過度(?)に美化され「日本と戦って勝った!」という思い込みが広がっているせいだろうか。

個人補償は1965年の国交正常化の際、資金を受け取った韓国政府が担うことになっている。それに日本企業としてはその後、韓国の経済発展に大きく寄与しており、補償蒸し返しには納得しがたい。今回、悪者扱いの日本製鉄は世界的鉄鋼メーカー「ポスコ(浦項製鉄)」の建設を手助けし、三菱重工業が母体の三菱自動車は世界市場に広がる「現代自動車」の成長を支援している。韓国経済はいわば日本の〝戦犯企業〟のおかげで世界に羽ばたいたのです。(黒田勝弘)

「徴用工」の韓国案 懸念の点がいくつもある

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