東日本大震災の復興予算として国が平成23~令和2年度に計上した計約44兆7400億円のうち、2年度末までに使われなかったり翌年度以降に繰り越されたりした額が6兆円を超えたことが3日、会計検査院の調べで分かった。執行率は約85%だった。計画の変更で事業が実施されなかったことなどが要因だった。
予算の主な財源は復興特別所得税。使われなかった分は新たに編成される予算に組み直されるため無駄とはならないが、広く国民に負担を求めているだけに予算が適正だったかどうかの検証が求められそうだ。復興特別所得税を巡っては、増額する防衛費に転用する計画もある。
検査結果によると、2年度末までに計上された予算は計44兆7478億円。同年度末時点で支出済みとなったのは38兆1711億円(85・3%)で、予算計上したが使わなかった「不用額」が6兆1448億円(13・7%)、翌年度以降への繰越額が4317億円(0・9%)となった。