「身勝手な犯行」ベトナム人店員殺害、60歳被告に無期懲役判決 大阪地裁

大阪地裁
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大阪市淀川区の建物2階の一室で、階下の弁当店で勤務するベトナム国籍のヴォ・ティ・レ・クインさん=当時(31)=を殺害して現金を奪ったとして、強盗殺人や死体遺棄などの罪に問われた無職、山口利家(としや)被告(60)の裁判員裁判の判決公判が3日、大阪地裁で開かれた。中川綾子裁判長は「金欲しさのあまりの身勝手な犯行」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。

弁護側は「金を借りようとしただけ」と殺意や強盗目的を否定し、傷害致死と窃盗罪にとどまると主張していた。判決理由で中川裁判長は、所持金が100円を切っていた上、被害者と面識もなかったことから、「金品を奪う目的と考えるのが自然」と判断。被害者の抵抗によって自身の腕が外れかかっても首を絞め続けたことを踏まえて殺意も認定し、強盗殺人罪が成立するとした。

量刑理由では、「全く落ち度のない未来ある女性が理不尽に命を奪われ、夢を打ち砕かれた結果は極めて重大」と指弾した。

判決によると、昨年4月3日午前、クインさんを自宅に誘い、所持金を渡すよう告げたが抵抗されたため、首を絞めて殺害。現金約2万6千円を奪い、遺体をテレビ台と壁の間に押し込んで隠した。


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