石油の流出で土地や地下水が汚染されたとして、ナイジェリア南部のニジェール川河口デルタ地帯にある集落の住民約1万1千人が、現地子会社を通してこの地域で産油してきた英石油大手シェルへの賠償を求めてロンドンの裁判所に提訴した。ロイター通信が2日伝えた。
別の集落の住民も既に同様の訴えを起こしており、原告は計1万3千人を超える。英最高裁が2021年に「審理に値する」として問題の地域の住民4万人以上に訴訟の提起を認めていた。原告代理人の英法律事務所は、本格審理は24年になるとの見通しを示した。
シェル側は除染を進めるとしつつも、流出の大部分は周辺で稼働する違法な製油所などが原因だと主張している。
問題の地域はアフリカ有数の産油地である一方、流出した油による環境問題が深刻化。国連環境計画(UNEP)は11年、汚染に責任があるとしてナイジェリア政府とシェルを批判した。(共同)