中国軍が太平洋戦争での日米両軍の攻防を細かく研究していることが米国の大手研究機関の報告で明らかにされた。中国側がこんご起きるかもしれない米国との戦争への教訓を得るための戦史の精査だという。
米国の安全保障の大手研究機関「戦略予算評価センター(CSBA)」は1月中旬、「太平洋戦争の中国への教訓」と題する研究報告書を公表した。副題に「人民解放軍の戦争行動への意味」とあるように、太平洋で日本軍と米軍が戦った際の詳細を中国のこんごの軍事行動への教訓にするという中国側の研究内容を調査し、分析している。
約100ページの同報告書を作成したのはCSBAの上級研究員で中国の軍事動向については全米有数の権威とされるトシ・ヨシハラ氏。日系米人の同氏は海軍大学教授やランド研究所の研究員を務め、中国人民解放軍を長年、研究してきた。台湾で育ったため中国語に精通し、中国側の文書類を読破しての分析で知られている。