【ソウル=桜井紀雄】韓国最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表を巡る疑惑を捜査中の検察は、李氏がソウル近郊・京畿(キョンギ)道の知事時代の北朝鮮への巨額不正送金疑惑の捜査を加速させている。「李氏の訪朝のために北朝鮮に多額の金を渡した」との韓国企業元会長の供述が判明。南北協力の推進とともに大統領を目指した李氏と北朝鮮を結ぶ線が解明されるか注目される。
「李在明知事が次期大統領選のために訪朝を望んでいるので協力してほしい」
韓国紙の東亜日報や朝鮮日報によると、下着大手「サンバンウルグループ」元会長のキム・ソンテ容疑者は2019年7月にフィリピン・マニラで北朝鮮秘密警察所属のリ・ホナム氏にこう持ち掛けたと供述した。李氏と面識もないと否定してきたが、逃亡先のタイから先月移送され、李氏の知事時代に対北担当副知事だった人物への贈賄容疑などで逮捕後、詳細を語り始めた。