中国、ゼロコロナ解除で国際イベント積極開催へ 北京五輪から1年

北京冬季五輪の選手村跡に残る五輪マーク=2日、河北省張家口市(三塚聖平撮影)
北京冬季五輪の選手村跡に残る五輪マーク=2日、河北省張家口市(三塚聖平撮影)

昨年の北京冬季五輪の開幕から4日で1年となる。新型コロナウイルスの感染拡大を徹底的に食い止める「ゼロコロナ」政策の中、選手ら大会関係者と外部の接触を遮断する「バブル方式」がとられたため、五輪開催で期待されていた地元経済への波及効果は限定的だったようだ。習近平政権は昨年末にゼロコロナ政策を解除しており、今年は国際イベントの開催を積極化させる構えを見せている。(中国河北省張家口(ちょうかこう)市 三塚聖平)

北京冬季五輪は、北京市中心部と同市郊外の延慶区、河北省張家口市の3地域が会場となった。五輪の開幕から間もなく1年となる2日、北京市中心部から高速道路で約3時間かけ、スキージャンプなどの競技会場となった張家口市崇礼区を訪れた。高速道路は五輪に合わせて整備されたものだったが、張家口に近づくにつれて走行車両がほとんどなくなった。

崇礼区に点在する五輪関連施設には「大会関係者以外は通行禁止」といった掲示が残されるなど、五輪・パラリンピックの終了後そのまま放置されているようなものが目立った。誰も利用していないとみられる新設施設も多数あった。

北京五輪の選手村跡で写真を撮る人。訪れる人はまばらだ=2日、河北省張家口市(三塚聖平撮影)
北京五輪の選手村跡で写真を撮る人。訪れる人はまばらだ=2日、河北省張家口市(三塚聖平撮影)

地元関係者によると、昨年春頃には、集団感染が確認された北京市中心部の一部住民1千人以上の集団隔離場所として、崇礼区の五輪関連施設が再利用されたことはあったという。

崇礼区で雑貨店を営む中年男性は「五輪期間中、観光客は訪れず、商売にはなんのプラスもなかった」と振り返る。感染対策が強化されたために観戦チケットは一般向けに販売されず、関係者や招待客など限られた観客のみとなったためだ。地元では五輪開催中の感染拡大を避けるために、休業を余儀なくされた店舗も多かったという。

中国外務省の毛寧(もうねい)報道官は3日の記者会見で、北京冬季五輪について「世界に簡略、安全、精彩な大会を提供した」と成果を強調してみせた。しかし、五輪関連施設を観光目的で訪れていた張家口の高齢男性は冷静にこう語った。

「国家のためにはなったかもしれないが、地域経済には貢献しなかった」

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中国政府は昨年末にゼロコロナ政策を撤回し、今年は各地で国際イベントの開催を積極化させる。

3月末には、アジアを中心に世界の政財界要人が経済協力などについて話し合う中国主導の国際組織「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム」の年次総会を対面で開く方針だ。

大規模な国際スポーツ大会では、9~10月に浙江省杭州市で第19回アジア競技大会が開かれる。同大会はもともとは昨年9月に開催予定だったが、中国での感染拡大を受けて延期されていた。

中国のニュースサイト「中国新聞網」は今年1月、杭州アジア大会を3月の全国人民代表大会(全人代)で決まる中国政府人事などと並ぶ今年の重要イベントとして位置づけ、「北京冬季五輪後、中国が再び盛大なスポーツ大会で世界の注目を引く」と強調している。

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