大阪梅田駅、万博へ開発推進 阪神電鉄・久須次期社長

阪神電気鉄道の社長に4月1日付で就任する久須勇介専務取締役(黒川信雄撮影)
阪神電気鉄道の社長に4月1日付で就任する久須勇介専務取締役(黒川信雄撮影)

阪神電気鉄道の社長に4月1日付で就任する久須(くす)勇介専務が産経新聞のインタビューに応じ、現在改良工事を進める大阪梅田駅とその周辺地域をめぐり、同社沿線の「東の玄関口」として2025年大阪・関西万博に向け開発を推進する考えを強調した。また、兵庫県尼崎市に移転が決定している同県西宮市鳴尾浜の阪神タイガース2軍施設跡地の再開発にも意欲を示した。

阪神電鉄は現在、令和6年春の完成に向け大阪梅田駅の改良工事を実施。ホームの拡幅やホームドアの設置などを進めている。

久須氏は改良工事が順調に進んでいると強調。他の阪急阪神ホールディングス(HD)のグループ企業とともに進める地上の広場の整備事業と合わせ「万博に向けて明るい空間にしていく。地上部分の開発も進め、地下に集まりがちだった梅田の人々の流れを地上にも広げたい」と語った。

久須氏はまた、阪神タイガースの2軍施設跡地の活用をめぐり「タイガースが使わない球場を置いていてもビジネスにはならない。(球場以外の方法の使用が)一番いい。今後、不動産部門が活用方法を検討していく」と語り、再開発に意欲を示した。

阪神甲子園球場(西宮市)が6年8月に開場100周年を迎える点にも触れ、「新球場なら老朽化すれば価値が下がるが、これだけの歴史があれば今後さらに文化的、歴史的価値が上がる。その価値をどう高めて、次の100年に伝統を引き継ぐかが課題だ」と語った。

阪神電鉄グループで手がける、デジタル技術を活用した子どもの見守りサービスやケーブルテレビ事業については「新型コロナ禍で他の事業が落ち込むなかでも成長してくれた。今後も伸ばしていく」と述べ、非鉄道事業の核のひとつにしていく考えを強調した。(黒川信雄)

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