林芳正外相は2日、中国の秦剛外相と電話会談した。建設的かつ安定的な関係構築のため連携することで一致した。首脳や外相を含めあらゆるレベルで緊密に意思疎通していく方針も確認した。日本外務省が3日発表した。昨年末に秦氏が外相に就任してから初めての会談。ただ尖閣諸島(沖縄県石垣市)や台湾問題を巡っては双方の主張が対立した。
中国側は日本政府が中国からの渡航者に実施している新型コロナウイルス水際対策措置の緩和を要求した。林氏は中国国内の感染状況を見極めながら柔軟に対応していくと述べた。ロシアとの連携を含む日本周辺での軍事活動の活発化に深刻な懸念を表明した。日本の対中世論が極めて厳しいとも伝えた。
林氏は「台湾海峡の平和と安定が重要だ」と指摘。中国当局に拘束された日本人の早期解放を求めた。秦氏は尖閣諸島を巡り「右翼勢力の挑発を制止する」ことを日本側に要求。「歴史や台湾の問題で言動を慎む」よう日本側に求めた。