今年に入って米国でリセッション(景気後退)が懸念されている。イエレン米財務長官はリセッションを警告し、IT企業は次々と人員削減を表明している。このような傾向は米国だけにとどまらない。欧州でもウクライナ侵攻の長期化による物価高騰、エネルギー危機などで不安定さを増している。
このような環境激変の時、自動車産業、特に話題の電気自動車(EV)はどのような影響を受けるか。過去のリセッション時を例にとると、大型車は敬遠され小型車に移行する。また同じサイズのクルマであれば、燃費の良いクルマに移行する傾向がある。米国では大型車やピックアップトラックは厳しい状況となる。EVはどうか。他の自動車同様、リセッションの影響を受けるが、欧米、中国を中心に3つの理由で軽微な影響にとどまると考える。
1つ目は、欧米、中国で環境規制が強化され、2035年にガソリン車、ディーゼル車の新車販売禁止が決まっている地域がある。このため、心理的に再び内燃機関車を購入するのをためらい、どちらかといえばEVに向かうこと。