ふんどし姿の男たちが厄を落とそうと激しくぶつかり合う奇祭「国府宮はだか祭」が3日、愛知県稲沢市の国府宮神社で開かれ、「裸男」のもみ合いが3年ぶりに復活した。新型コロナウイルス禍で「密が避けられない」と2年連続でもみ合いは中止となったが、ワクチンの3回接種などの感染対策を参加条件にして開催にこぎ着けた。
約1200年前から続く伝統行事で、くじで選ばれた「神男」に触ると厄が落ちるとされる。今年の神男、自営業の矢沢謙二さん(41)=同県あま市=が参道に姿を現すと、約1700人の裸男たちが「わっしょい」と声を張り上げながら殺到。裸男をかき分けながら約20分で境内の儺追殿に到着、歓声が上がった。
今年の裸男は、コロナの影響で例年の8千人を大きく下回った。令和3年、4年はもみ合いが中止となり、神男らが参道を行列して厄よけを祈願する代替行事を実施していた。
裸男として7回目の参加となる同県豊田市の会社員の土屋和也さん(42)は「3年ぶりの祭りで熱気を感じた。神男に触って厄を落とせたので良い1年にしたい」と話した。