政府・自民党内で児童手当の所得制限の撤廃論が高まる中、立憲民主党が過去に所得制限の導入を求めた自民に「反省」を求め、検証プロジェクトチーム(PT)まで立ちあげた。立民は忘れたのだろうか。同党の源流となる旧民主党は、子供1人当たり月2万6千円を支給する「子ども手当」を政権公約に掲げたものの、平成21年の政権奪取後「財源を確保できない」と白旗を上げ、子育て世帯を深く落胆させた過去を。
旧民主は同年の衆院選で、旧来の児童手当の2倍以上を支給する子ども手当の創設を高速道路無料化などとともに提案した。22年度には中学生以下のすべての子供に同1万3千円、23年度以降満額の支給を訴えた。財源は予算の組み換えや「税金の無駄遣いの削減」で捻出する約16・8兆円の一部、「控除から給付へ」という理念に基づく所得税の年少扶養控除の廃止などで賄うとした。
しかし、「無駄」は思うように削ることができなかった。旧民主政権は22年6月から同1万3千円の支給を始めたものの、同月には「満額支給を断念する」と表明。同年度の税制改正から16歳未満の扶養家族がいる場合に適用される年少扶養控除を先行廃止したため、一部は事実上増税となる世帯も生まれた。