米国は「キリスト教国家」であるべきだ-。こう考える人々が、2024年大統領選で返り咲きを狙う共和党のドナルド・トランプ前大統領(76)の中核的な支持基盤であり続けている。合衆国憲法が定める政教分離を否定する思想とは、どのようなものなのか。取材からみえてきたのは、信仰や憎悪、陰謀論が混じり合う異形の世界だった。
トランプ氏支持の中核、陰謀論も
数千人で埋まった巨大なテント会場が、そのときだけは静まり返った。「本物の大統領に電話してみよう」。ステージに上がったトランプ氏の次男エリック氏がそう言って、取り出したスマートフォンにマイクを向けたからだ。