先月21日、中国疾病予防コントロールセンターの専門家、呉尊友氏は短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」に投稿し、中国の人口の80%が新型コロナウイルスに感染した、との認識を示した。この感染率からすれば、人口約14億人の中国では、すでに約11億2000万人が感染した計算になる。
私は、この「80%感染」という数値に大いなる疑問を感じざるを得ない。中国政府が「ゼロコロナ」政策を放棄したことから爆発的な感染拡大が始まったのは昨年12月7日以降のことだが、それからわずか1カ月半で、国民の8割が感染してしまうような事態が果たして可能なのか。
検証のためにまず、中国以外の各国の感染状況を見てみよう。NHK特設サイト掲載のデータによれば、1月25日現在、アメリカの累計感染者数は1億219万人、人口に対する感染率は約30・5%。日本の累計感染者数は26日現在3231万人、人口の約26%が感染。先進国の中で感染率が最も高いのはフランスだが、それでも57%程度。そして、世界保健機関(WHO)が先月28日に発表した世界全体の累計感染者数は世界人口の10%以下である。