「白州」使ったハイボール「1缶600円」

サントリーが今年発売を予定しているプレミアムハイボール缶「山崎」と「白州」=1日午後、東京都港区赤坂の「サントリーホール」(酒巻俊介撮影)
サントリーが今年発売を予定しているプレミアムハイボール缶「山崎」と「白州」=1日午後、東京都港区赤坂の「サントリーホール」(酒巻俊介撮影)

サントリーは1日、ウイスキーを生産する蒸留所に100億円規模の設備投資を行うと発表した。ウイスキー事業が100周年を迎えた今年を機に、高級ハイボール缶の投入などを通じて市場の活性化を図る。同日開いた記者会見で鳥井信宏社長は、「品質向上と需要創造を愚直に、少なくとも次の50年はこれまでと同じことを一生懸命にやる」と抱負を語った。

設備投資するのは、「山崎蒸溜所」(大阪府島本町)と「白州蒸溜所」(山梨県北杜市)。品質向上のため生産工程を見直し、ウイスキーの原料になる麦芽をつくる工程で、手間はかかるがより風味を引き出す伝統的手法を導入する。両蒸留所はいずれも改修工事中で、今秋にリニューアルオープン予定。

「山崎」「白州」の原酒をつかったハイボールの缶商品も投入する。6月に「サントリープレミアムハイボール〈白州〉」の350ミリリットル缶を全国で数量限定発売。希望小売価格は税抜き600円と缶商品としては「高級路線」だが、鳥井社長は「社内でもかなり議論した。白州の価格を考えると非常にリーズナブル」と指摘する。山崎の原酒をつかった同様の商品も発売する計画だ。

山崎蒸溜所は日本初の本格ウイスキー蒸留所で、着工してから今年10月1日で100年になる。

国産品は「ジャパニーズウイスキー」として世界的に評価が高く、特にサントリーの「山崎」などは慢性的な品薄状態にある。ウイスキーは生産工程で長期間熟成するため、需給のバランスや大規模な生産体制の強化が難しい側面がある。

今回の設備投資は生産体制の強化を想定しておらず、鳥井社長は「需給ギャップについて対策を考えていきたい」と語るにとどめた。

サントリー100年 日本初の本格ウイスキー飛躍の軌跡

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