教員免許を持たなくても採用試験が受けられ、免許は2年以内に取得すればいいという東京都独自の〝免許あと回し〟の制度について、都教育委員会が40歳以上としていた対象年齢を、令和5年度から25歳以上に拡大する。第二新卒をはじめとする若い世代を中心に教員への転向を働きかけ、教員不足解消や教員採用試験の受験者数減少に歯止めをかける狙いがあり、全国的にも珍しい取り組みとして注目を集めている。(外崎晃彦)
「教員採用に手を尽くしてはいるが…」。板橋区教育委員会の担当者はそう話す。昨年、区内の小学校では、学期中に育児休暇や病気などによる教員の欠員が相次ぎ発生。英語クラスの特別授業の教員が不在となったり、クラスを小分けして少人数で行う特別授業ができなくなったりするなどの事態になった。このため区では急遽(きゅうきょ)、昨年末までの約3カ月間、ハローワークに求人を出すという苦肉の対応に迫られた。
「区のホームページや広報誌でも募った。やらないよりはましということで、あらゆる募集方法を探った」(担当者)。数人の採用につなげたが、求める人材と応募者のマッチングがうまくいかずに思い通りの採用にならないことが多く、教員不足には常に切迫感を抱いているという。