東芝やトヨタ自動車、日立製作所などで構成する団体「量子技術による新産業創出協議会」は1月31日(日本時間1日)、量子技術を活用した産業の育成を目指し、米国、欧州、カナダの団体と、国際的な協議会を発足させると発表した。量子技術は、経済や社会を飛躍的に発展させる革新技術として注目され、国際的な開発競争が激化している。価値観を共有する各国の民間企業ら有志団体が連携を図る。
米サンフランシスコで1月31日、同協議会と米欧加の量子技術の関連団体が、国際的な協議会を発足する覚書に調印した。
量子技術には、盗聴が不可能とされる「量子暗号通信」や、複雑な課題解決に役立つ「量子コンピューター」がある。政府は昨年4月にまとめた「量子未来社会ビジョン」で「経済安全保障上でも極めて重要となる技術で、将来の国家間の覇権争いの中核となる重要技術ともいえる」と言及。米国も対立する中国の技術向上に警戒を強めている。
国際的な協議会は、量子技術を活用した産業を育てて成長させるため、国や地域を超えた研究開発機会の提供や、相乗効果を見込める分野での協業といった取り組みを進める方針だ。