立憲民主党が、今国会の焦点となりつつある児童手当の所得制限撤廃をテコに汚名返上を画策している。所得制限撤廃は旧民主党政権が「子ども手当」として実現したが、当時野党だった自民党の猛批判を浴び、所得制限ありの児童手当を再導入した経緯がある。立民は自民政権の少子化対策が失策だったと印象付け、旧民主政権につきまとう「悪夢」のイメージを払拭したい考えだが、「月2万6千円支給」など当初の政権公約が頓挫した過去を呼び起こすとの指摘もある。
立民の安住淳国対委員長は1日、国会内で記者団に「失われた10年政策検証プロジェクトチーム(PT)」を設置すると発表した。「失われた10年」とは旧民主が政権から転落してから今日に至るまでの期間を指す。安倍晋三元首相が繰り返し用いた「悪夢のような民主党政権」に対抗する狙いが透ける。
安住氏は「この10年、少子化をつくってきたのは自民政権」と批判。農家への戸別所得補償制度や夫婦別姓など、旧民主政権の看板施策を列挙しつつ「結局われわれの方が正しかったんじゃないか」と強調した。