サッカー場の観客圧死で英警察謝罪 1989年の事故

1989年4月に英中部シェフィールドのサッカー場で観客が折り重なり97人が死亡した事故で、英警察当局は1月31日の声明で「警備に不手際があった。犠牲者や遺族に深くおわびする」と初めて公式に謝罪した。定員を大幅に超えるサポーターが立ち見席に押し寄せて圧死につながり、遺族は責任追及を求めていた。

事故はイングランド協会(FA)カップ準決勝で起き「ヒルズブラの悲劇」と呼ばれる。警察の誘導ミスなどでサポーターが立ち見席に殺到。警察は当初、サポーターに責任を押しつける説明をして、目撃者の証言も改ざんしたとされる。

声明は「過ちを繰り返さず、倫理をもって職務に当たることを約束する」とした。事故を巡っては2016年、裁判所の陪審が警察に過失があったとする評決を出した。17年の外部調査報告書は、職務を誠実に遂行するよう組織文化の改革を要求。警察は近く、新たな倫理規範を公表する。

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