将棋界に藤井聡太五冠(20)が彗星(すいせい)のごとく登場する以前、「神武以来(じんむこのかた)の天才」の名をほしいままにしていた加藤一二三さん(83)。その次女で仙台白百合女子大教授の美紀さん(57)は2つの聖職をこなしながら、学生たちを希望に導いている。人懐っこい笑顔に穏やかな語り口…。「ひふみん」の愛称で親しまれた父親と重なった。
「将棋は感動、芸術」
福岡県出身の父は、縁台将棋で才能を認められ、10歳の時に京都に修業に出ました。その時、通っていた学校で同級生だった母(紀代さん=83)に出会い、20歳で結婚しました。