東京都八王子市の東京都立大南大沢キャンパスで昨年11月、同大教授の社会学者、宮台真司さん(63)が首などを切られて重傷を負った事件で、警視庁捜査1課が画像を公開し、殺人未遂容疑で行方を追っていた容疑者とみられる男が、死亡していたことが1日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁が死亡を確認した。
事件は昨年11月29日午後4時15分ごろに発生。キャンパス敷地内で歩いていた宮台さんが背後から殴られた上に、後頭部や首などを刃物で切りつけられ、重傷を負った。執拗(しつよう)に襲われたとみられ、両腕には抵抗した際にできた防御創もあった。
事件当日、宮台さんは週1回の講義のために出勤した。午後4時10分に講義を終え、当日最後の講義がリモートだったため、自宅に向かおうと、駐車場の方向に歩いていた途中に襲われた。
捜査1課は、宮台さんの行動を事前に把握し、1人になる機会をうかがうなど入念に準備した上で犯行に及んだとみて、トラブルの有無などを調べていた。
宮台さんは「トラブルに心あたりはない」と説明。男についても無言で切りつけてきたとし、「暗がりで誰か分からない」「面識がない」と話していた。
捜査1課によると、学内や周辺の防犯カメラ画像から男は当日の事件前、相模原市から自転車で現場へ向かい、事件後は現場近くの集合住宅の路上を歩き、自転車で相模原市方向へ向かったとみられている。
逃走経路で捨てたペットボトルから男のものとみられるDNA型が検出されていた。
捜査1課は男の複数の防犯カメラ画像を公開し、行方を追っていた。
宮台さん襲撃数時間前、大学構内に犯人とみられる男 長時間準備か