フィリピンの「ルフィ」裁判、週内にも取り下げ 日本に4人同時送還へ

マニラの入管施設前に集まった職員たち=1月31日(共同)
マニラの入管施設前に集まった職員たち=1月31日(共同)

【マニラ=森浩】全国で相次いで発生している強盗事件を巡り、フィリピン司法省報道官は1日、犯行の指示役とされる日本人特殊詐欺グループ4人=同国の入管施設で拘束中=の送還の妨げとなっている刑事裁判について、週内にも公訴が棄却される見通しだと明らかにした。また司法省は同日、改めて4人同時の送還を目指す考えを強調した。

フィリピンの入管施設では、母国への強制送還を避けるため、外部協力者に告訴・告発させ、刑事司法手続きに入ることで移送を先送りにする手口が横行している。

4人のうち、今村磨人容疑者(38)への暴行罪での訴追は1月25日に却下されたが、残る3人については何らかの罪での裁判が続いている。司法省はいずれの裁判も虚偽の告訴によるものとの見方を強めているが、「公訴棄却前に強制送還はできない」との見方も示している。

報道官は今月第2週に予定されているマルコス大統領の日本訪問を前に4人の送還を終えたい考えを改めて強調し、「(4人の送還問題が長期化し)経済について話し、フィリピンへの投資を呼びかけるという大統領訪日の目的を覆い隠すことがあってはならない」と述べた。

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