資生堂(東京)が展開する人気化粧品ブランド「NARS(ナーズ)」の模倣品をインターネット上で販売したとして、大阪府警生活環境課が医薬品医療機器法違反容疑で埼玉県蕨市の30歳の男2人=いずれも中国籍=を逮捕したことが1日、捜査関係者への取材で分かった。2人の自宅からは化粧品の模倣品のほか、偽ブランド品とみられるバッグなども見つかっており、府警は組織的犯罪の可能性もあるとみて実態解明を進める。
捜査関係者によると、2人は共謀し、昨年12月下旬、資生堂の化粧品ブランド「NARS」の「ライトリフレクティングセッティングパウダープレストN」を模造したフェイスパウダー1点を宅配便を使って北陸地方に住む男性に販売した疑いが持たれている。
NARSが販売するパウダーは通常1個5800円ほどで販売されているが、2人はフリマサイトで模倣品を1個3400円で販売していたとみられる。
資生堂はNARSの公式ホームページ上で模倣品が出回っていると注意喚起する文章を掲載。「パッケージが非常に酷似しており、ほとんど見分けがつかない。健康被害を引き起こす恐れもある」として正規取扱店での購入を促している。
府警は昨年11月、人気美容液の模倣品を通販サイトなどで販売したとして同法違反と商標法違反の疑いで中国籍の女(31)を逮捕。女のスマートフォンの通信記録などから、国内の中国人を中心とする偽物販売グループの存在が浮かび上がり、2人の犯行が判明した。