経験豊富な65歳の指揮官は、キャンプ初日から自らのカラーを打ち出した。2008年以来の復帰となる阪神の岡田監督は1日、久しぶりに沖縄・宜野座のグラウンドに立つと、独自色を押し出しながら、「俺は見極めだけや」の言葉通り選手たちの動きを注意深く見守った。
練習前のセレモニーでは、すっかり浸透した優勝を指す「アレ」を多用。「宜野座からアレを目指し、アレを勝ち取り、秋にはアレの喜びを分かち合いたい」とあいさつした。
そこからが、岡田カラー。打撃練習の際には監督の周囲に安藤、久保田両投手コーチと今岡打撃コーチだけでなく、OBの鳥谷敬氏や能見篤史氏らも集合。前回指揮した05年の優勝メンバーが選手の動きを注視した。
新型コロナウイルスの感染防止対策として今年もOBのグラウンド立ち入り禁止を続ける球団が多いだけに、異例ではある。だが、岡田監督は「OBと若手の交流の機会はあった方がいい」と歓迎する。打撃フォーム改造に取り組む佐藤輝の練習中には、今岡コーチ、鳥谷氏と話し込む場面もあった。
練習時間についても「グラウンドにいる時間で勝負してるんやない」と持論を展開。昨年までは多くの選手が日が落ちるまでウエートトレーニングなどに取り組んでいたが「長くおっても勝たれへん。やるべきことをやったら休み、次の日に新たな気持ちで臨めばいい」。時間の長さよりも中身を重視。メリハリのある練習から、18年ぶりの頂点を目指す。(嶋田知加子)