東京・渋谷のファッションや文化の象徴として知られた東急百貨店本店が31日、営業を終えて約半世紀の歴史に幕を下ろした。この日は東京郊外の立川市にある立川高島屋ショッピングセンターの百貨店区画も営業を終了。ファストファッションの台頭やネット通販の普及で地域の人々の消費行動が変わり、百貨店の品ぞろえやサービスが合わなくなったのを改めて印象づけた。
東急本店の閉店で、渋谷駅周辺の百貨店形態を保つのは西武渋谷店のみとなる。東急本店の最後のセールには大勢の常連客らが駆けつけた。
閉店に合わせ、稲葉満宏店長が店頭で「55年間すてきな出会いに恵まれた」とあいさつすると、正面玄関に集まった客から拍手が湧き起こった。
老朽化した建物は取り壊され、2027年度に外資系ホテルも入る地上36階建ての複合施設に生まれ変わる。