日本銀行が31日公表した平成24年7~12月の金融政策決定会合の議事録。12月の会合では、政府と日銀が翌年1月に合意する共同声明について議論された。直前には、第2次安倍晋三政権の発足を確実にした安倍氏が白川方明(まさあき)総裁と会談し、2%の物価上昇目標の導入と共同声明の検討を迫っていた。政治からの圧力が強まる中、「異次元の金融緩和」前夜の緊迫感が浮き彫りになった。
「新政権とのコミュニケーションでは拙速に妥協点を見いだすようなことはせず、お互いの政策姿勢、具体的な政策の有効性を巡ってじっくりと議論を重ねていくことがいい」。24年12月20日の会合で、木内登英(たかひで)審議委員はこう主張した。
議論に緊張感が漂うのには理由があった。安倍氏は「(日銀総裁の解任権を認める)日銀法改正を視野に大胆な金融緩和を行っていく」と主張していたほか、2~3%の物価上昇目標の導入や無制限の国債買い入れを提唱するなど、日銀に積極的に関与する姿勢をみせていたからだ。