在日コリアンに関する自らの言動を「悪意に満ちたデマ」などと報じた神奈川新聞記事や執筆した石橋学記者(52)の発言で名誉を傷つけられたとして、川崎市の佐久間吾一氏(56)が計約280万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で横浜地裁川崎支部は31日、演説中だった佐久間氏への一部発言が名誉毀損に当たるとし、石橋記者に15万円の支払いを命じた。
山口均裁判長は佐久間氏の言動を批判、論評した複数の記事に関し、佐久間氏が平成31年の川崎市議選に立候補していたことなどから公益性を認定。「許容される限度を超えた侮辱行為とはいえない」とした。一方で石橋記者による街頭演説中の「でたらめ」などとの発言は違法性を認めた。
石橋記者は判決後の集会で「ヘイトスピーチだから許さなかった」と述べた。佐久間氏は取材に「主張が全面的に認められなかったことは不満だ」などと語った。
判決によると、石橋記者は31年2月の記事で佐久間氏の発言を「悪意に満ちたデマによる敵視と誹謗中傷」と記載するなど、複数の記事を執筆した。