大雪の影響によりJR東海道線で多数の列車が立ち往生し、乗客が長時間車内に閉じ込められた問題で、JR西日本は31日、近畿圏を走る路線にある融雪設備の約6割が、レールを火で直接温めて雪を溶かす「点火(カンテラ)式」であると明らかにした。「電熱式」への更新も含め、対策を検討するとしている。
JR西によると、融雪設備は、灯油の入ったカンテラをポイント付近に設置し作業員が現場で火をつける点火式と、遠隔で電源を操作し電気の熱でレールを温める電熱式がある。
近畿圏では点火式が1500カ所、電熱式が1100カ所の計約2600カ所に導入されている。立ち往生があった区間では計21カ所のポイントが故障し、うち20カ所は点火式だった。
東海道線では24日夜、降雪量を少なく想定して融雪設備を稼働させず、ポイントが凍結するなどして切り替えできなくなった。山科―高槻間で計15本の列車が立ち往生。約7千人が最大で約10時間車内に閉じ込められた。