岸田文雄首相が出席した31日の衆院予算委員会での主なやり取りは次の通り。
立憲民主党・長妻昭氏「児童手当の対象を高校までのばすことも検討しているか」
首相「児童手当が最後に見直されてから10年たつが、その間の少子化を巡る社会経済の環境はずいぶんと変わっている。より経済的支援を重視してもらいたいとの声が強まるなど政策に対する期待ニーズも変化し、それに対応して政策を考えていかなければならない。(児童手当の拡充を)高校までやるかどうかも含め、今求められる子供・子育て政策を具体化する取り組みを進めている」
長妻氏「結婚する人への住宅支援を国として率先して行うべきだ」
首相「若い方々の賃金を上げ、住宅の充実を図る。こうした取り組みは希望する方が結婚し、子供を持つという希望をかなえる上で大変重要な要素だ。思い切ったさらなる支援が必要だという認識を持ち、広い意味での子供・子育て政策の一つとして住宅(支援)も考えていくことは重要な視点だと思う」
立民・玄葉光一郎氏「反撃能力(敵基地攻撃能力)は北朝鮮によるミサイル対応だけでない他国からのミサイルや、爆撃機、無人機に対しても行使できるか」
首相「北朝鮮以外のミサイル攻撃に対しても、こうした対応を考えることになる。ミサイル攻撃以外の爆撃機などのケースについても、武力行使の3要件に合致するかどうかをしっかり確認し、その手段を考えていく。反撃能力もその範囲内で対応を考える」
玄葉氏「日本の島嶼(とうしょ)部に武力侵攻があり、他国の戦闘機や艦船が来た場合、その母港などに反撃能力を行使するか」
首相「個別具体的に対応を考える。戦闘機の飛来に本当に反撃能力しか手段がないのかどうかを厳密に考えた上で、対応しなければならない」
立民・早稲田夕季氏「新型コロナウイルスの『5類』移行の前提として今までの3年間を振り返り、教訓を生かすべきではないか」
首相「これまで人口当たりの感染者数は他の先進7カ国(G7)と比べても低い水準に抑えられているが、死亡者数が多いことは認識しなければならない。5類への見直しでは、専門家の指摘を考え、高齢者などの重症化リスクの高い方々に配慮した具体的な内容を考えていく」
日本維新の会・藤田文武氏「首相は憲法改正を(自民党総裁)任期中にやるというが、具体的なスケジュールを決めるべきではないか」
首相「憲法改正は先送りできない課題との考え方に変わりはない。首相の立場から憲法改正の進め方や内容について具体的に申し上げるのは控えなければならないが、先の臨時国会では憲法審査会で活発な議論が行われた。初の発議に向け、国会の議論の中でスケジュール感も共有しながら前に進めてもらうことを期待したい」