岡崎医療刑務所(愛知県岡崎市)で、廃棄した新型コロナウイルスワクチンを男性刑務官1人に接種していたことが31日、同刑務所への取材で分かった。健康被害はなかったが、刑務所は「許される行為ではなかった」としている。
刑務所によると、職員への4回目接種の最終日だった昨年9月20日、医師が対象者全員が完了したと勘違いし、余った1人分のワクチンのバイアル(瓶)をポリ袋に入れて捨てた。
同日、男性刑務官1人の未接種が判明。男性は日時を予約していなかったが、診察室を訪ねてきて希望した。医師は外部医療機関での接種を促したが、男性が強く求めたため、看護師に廃棄ボックスからワクチンを回収するよう指示した。
医師らは廃棄分であることを男性に伝えていなかった。内部から不適切との指摘を受け、後日男性に謝罪した。刑務所は「密封された状態だったため医師が安全と判断したが、許される行為ではなかった」としている。