デンマーク首相、ウクライナ訪問 南部ミコライウ 負傷兵見舞う

英国防省は29日、ウクライナ軍の戦車兵が英主力戦車「チャレンジャー2」の操縦訓練を受けるため、英国に到着したと発表した。英政府は同戦車14両のウクライナへの供与を表明していた。一方、デンマークのフレデリクセン首相が30日、ウクライナを訪問。戦線に近い南部ミコライウの病院を同国のゼレンスキー大統領と一緒に訪れ、負傷兵を見舞った。

昨年2月にロシアが侵攻して以降、海外首脳がミコライウを訪問したのは初めてとみられる。ゼレンスキー氏がフレデリクセン氏を出迎える動画などを通信アプリに投稿した。両首脳は付近の港湾も訪れ、ロシアによる攻撃で破壊された施設などを視察した。

ゼレンスキー氏は29日のビデオ声明で、南部ヘルソン州への露軍の攻撃で3人が死亡したと説明。「兵器の供給を急ぎ、新たな兵器の選択肢を広げる必要がある」と述べ、米国や英国、欧州諸国に軍事支援の加速を訴えた。

これまでに米英やドイツが自国製の主力戦車をウクライナに供与すると発表。同国は、高性能な米欧製の戦車の導入が、将来的な反転攻勢の原動力になると期待している。ロシアが春先にも大規模攻勢に出るとの観測があり、戦車兵らの操縦や、維持・管理の習熟を急ぐ必要がある。

ゼレンスキー氏は29日、露軍が南部ヘルソン州の州都ヘルソンで終日砲撃を加え、民間人3人が死亡、6人が負傷したと明らかにし、「テロだ」とロシアを非難した。

ゼレンスキー氏やウクライナ保健省によると、ヘルソン市では29日、露軍の砲撃が病院や住宅、郵便局などに着弾。看護師や市民らが死傷した。ウクライナメディアによると、露軍は1月下旬以降、ほぼ毎日のようにヘルソン市や周辺地域に砲撃を加えている。

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