岸田政権が「新しい資本主義」実現への柱のひとつに、スタートアップ(新興企業)育成を掲げている。投資額や創出企業数を5年間で10倍に引き上げ、経済成長の起爆剤にするという。日本経済はバブル崩壊後の約30年間、企業収益や賃金が伸びないデフレ状態から抜け出せずにいる。企業の新陳代謝を活性化させようと大型予算でテコ入れを図るが、先行する韓国などの事例からは、組織や意識の改革を促す重要性も指摘される。
「今は、日本経済を牽引(けんいん)する大企業も、かつては戦後創業の『スタートアップ』だった」
岸田文雄首相は23日の施政方針演説で、戦後の創業期に次ぐ、第2の創業ブームを実現しようと訴えた。卓越した才能を発掘・育成するプログラムの拡充や、研究開発ベンチャーへの資金供給強化などを掲げた。