就任から2年が経過した大阪ガスの藤原正隆社長(64)は研究者として入社したにもかかわらず、営業や企画部門、子会社社長として活躍するなどほぼ全ての部門を経験。2万人超の従業員を抱える同社でも異例の存在だ。人口減少でガス事業の先行きが見通せない中、本業の技術やノウハウを派生させた多軸化(多角化)に力を入れるという。果たしてその成否は…。
《大阪ガスの令和4年4~12月期の連結最終損益は13億円の赤字(前年同期は551億円の黒字)だった。同期の赤字は四半期決算の公表を始めた平成15年度以来、初めて》
「ロシアは、ウクライナ侵攻をきっかけに資源を〝人質〟にした外交を展開し、エネルギー価格が上昇しました。出資する米国の液化天然ガス(LNG)プラント『フリーポート』が火災に見舞われたため、費用がかさみ大きな赤字を出しました。ただ、円安も落ち着いてきたため、通期は黒字を確保できそうです」
--非エネルギー分野に積極的ですね