令和5年成長への展望

清水建設社長 井上和幸さん(66) 洋上風力首位へ、開発・育成新拠点も

インタビューに応じる清水建設の井上和幸社長=東京都中央区(松井英幸撮影)
インタビューに応じる清水建設の井上和幸社長=東京都中央区(松井英幸撮影)

--足元の建設受注の状況は

「受注は今年もそれなりにある。総事業費が1000億円単位の都心の大型再開発が続く上、最近ではデータセンターや物流施設、半導体関連施設の案件の引き合いも増えている」

--昨年から資材高騰が続いている

「顧客に施工費への価格転嫁をお願いしているが、既に契約している工事では難しい。資材高が落ち着く傾向はみられず、先は見通せない」

--洋上風力向けの専用作業船建造に約500億円を投資をした狙いは

「洋上風力発電施設の建設工事は5兆円の市場規模があるとされており、国内トップシェアの獲得を目指す。海外案件も視野に入れ、海外でも競争力がある大型の作業船を造った。令和8年ごろから本格的に投資額の回収ができると見込んでいる。この事業は脱炭素にも貢献できる」

--あと1年余りで建設業界でも残業時間の規制が始まる

「工期があまりに短いものはこれからはできなくなるだろう。残業時間を抑えるには非常に高いハードルが残されているが、ロボット化も含めてやり方を工夫することで生産効率を上げていく」

--今年、技術開発や人材育成を進める新たな拠点を東京・潮見(江東区)に設ける

「広大な敷地で、歴史資料展示室なども整備する。国内外の研究機関や他社と連携して技術開発を進めるなど、これまで当社になかったオープンイノベーションの場にしたい」(浅上あゆみ)                =おわり

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