【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は30日、ソウルで北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長と会談し、ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮問題での連携を確認した。NATOとの急接近の背景には、旧来の安全保障協力の枠組みでは北朝鮮とロシア、中国による多重的脅威に対応し切れないという韓国側の危機感もある。
尹氏は会談で「北朝鮮が核・ミサイル能力を高めている」とし、「北朝鮮の無謀な挑発の意思をくじくため、NATOが積極的な役割を続けるよう」求めた。「ウクライナ国民を助けるため、国際社会と協力し、可能な役割を果たす」とも述べた。ストルテンベルグ氏は韓国との協力拡大を約束し、7月にリトアニアで開くNATO首脳会議への出席を尹氏に招請した。
ストルテンベルグ氏は29日に行った朴振(パク・チン)外相との会談で「北朝鮮がロシアにロケットやミサイルなどの軍事的支援をしている」と指摘。NATOと韓国の「安保上の関連性がますます深まっている」と強調した。