陸上自衛隊での性被害を実名で訴えた元自衛官の五ノ井里奈さん(23)が30日、国や加害者を相手取り、横浜地裁に民事訴訟を起こした。国家賠償と懲戒免職となった元隊員5人への損害賠償を求めた。本人や関係者が明らかにした。防衛省が本人に謝罪し、5人を免職にしたが、法廷で責任を問うことにした。五ノ井さんは同日午後、日本記者クラブで会見。訴訟に踏み切った理由や詳しい内容を説明する考えだ。
五ノ井さんは福島県の郡山駐屯地に所属していた際、演習場での訓練期間中に体を触られたり押し倒されたりするなどの被害を受けた。防衛省は昨年9月、事実関係を認めて謝罪。同12月には5人を免職にした。
五ノ井さんは現役自衛官だった当時から上司に被害を申し出たが、調査は不十分なままだった。昨年6月以降、自衛隊から離れ、実名で活動を始めた。
五ノ井さんの被害を巡っては、福島県の郡山検察審査会が昨年9月、加害者の不起訴不当を議決。強制わいせつ容疑の再捜査対象となっている。