塩野義、最終利益予想を引き上げ コロナ薬承認で

塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」(沢野貴信撮影)
塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」(沢野貴信撮影)

塩野義製薬は30日、令和5年3月期連結業績予想を上方修正し、最終利益を従来の1420億円から1700億円に引き上げた。前期比48・9%増で過去最高の見通し。新型コロナウイルス感染症の飲み薬ゾコーバが昨年11月に緊急承認されたことから利益が上振れる。今期の上方修正は2度目となる。

従来予想はゾコーバの流通にかかる費用などを多めにみていた。売上高は抗エイズウイルス薬のロイヤルティー収入が好調で4100億円から4210億円に引き上げた。前期比で25・6%増となる。

政府は200万人分のゾコーバ購入契約を結んでいる。コロナ関連の売上高1100億円は据え置いたが、韓国や中国など海外展開の進捗次第ではさらに上振れる可能性がある。韓国の当局には既に申請しており、4年度中の承認を目指す。

同時に発表した4年4~12月期連結決算は売上高が前年同期比54・1%増の3383億円、最終利益は約2・2倍の1577億円だった。

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