産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「大和ハウス杯 第61期十段戦」の挑戦者決定戦が30日午前10時、東京都千代田区の日本棋院で始まった。芝野虎丸名人(23)と井山裕太三冠(33)による一戦。同日夜までに決着する見込み。勝者が、3連覇を目指す許家元(きょ・かげん)十段(25)との五番勝負に進出する。
芝野名人は今期、村松大樹六段と本木克弥八段に勝利し、準決勝では前期挑戦者の余正麒(よ・せいき)八段を下した。芝野名人は十段防衛を狙った第59期に許八段(当時)に敗れており、それ以来の五番勝負登場がかかる。三
一方、七大タイトルのうち本因坊・王座・碁聖を保持する井山三冠は今期本戦で中野泰宏九段と大西竜平七段を破ってきた。準決勝では昨年の棋聖戦と本因坊戦、碁聖戦の挑戦手合で顔をあわせた一力遼棋聖と364手の激闘の末、白番4目半勝ちした。4期ぶりの十段戦五番勝負を狙う。
両者は昨秋の名人戦七番勝負でも当たり、フルセットの末、芝野名人がタイトルを奪還した。対戦成績は井山三冠が21勝、芝野名人は17勝。昨年11月2、3日の名人戦最終第7局で芝野名人に敗れ失冠した井山三冠だが、その後は年をまたいで公式戦8連勝と好調だ。芝野名人は挑戦中の棋聖戦七番勝負第2局(20、21日)で一力棋聖に勝ち、1勝1敗のタイにしている。
実力者が順当に勝ち上がった今期の十段戦は、4強にタイトル保持者3人が残っていた。これは、敗者復活戦制度を取りやめ本戦トーナメント一本になった第50期以降で最多。第58期の挑戦者決定戦では芝野名人が井山三冠を破っており、それ以来のタイトルホルダー同士の決勝だ。
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