東北電力(仙台市青葉区)は30日、上越火力発電所1号機(新潟県上越市)が発電効率63・62%を達成し、ギネス世界記録「最も効率の高いコンバインドサイクル発電設備」の認定を受けたと発表した。
コンバインドサイクル発電は、「ガスタービン」と「蒸気タービン」を組み合わせた発電方式。ガスタービンはジェット機のエンジンと同じ仕組みで、ジェット機は燃焼ガスを推進力に使うが、火力発電所では回す力に利用する。燃料の天然ガスを燃焼させると、熱の発生と同時にガスの体積が急激に膨張。この力を利用して「ガスタービン」を回す。同時にガスタービンの排熱で蒸気を作り、蒸気タービンを回す。
昨年12月から稼働している上越火力発電所1号機は、発電出力57・2万キロワット(一般家庭約80万世帯分)。コンバインドサイクル発電に加えて、強制空冷燃焼器システムも導入し、世界最高水準の熱効率を実現した。
樋口康二郎社長は「世界最高水準に挑戦し続けた当社の取り組みが実を結んだ。低廉な電力の安定供給とCO2負荷の低減に取り組んでいきたい。ギネス世界記録で社員のモチベーションも上がると思う」と話した。樋口社長自身も火力部課長、火力部部長、担当常務として、コンバインドサイクル発電にかかわってきたという。
上越1号機より以前は、中部電力が平成30年、西名古屋火力発電所7号基(愛知県飛島村)の最新鋭設備の発電効率でギネス世界記録として認定されていた。