中国、韓国にはビザ停止のまま…対日本と異なる対応

中国の「ゼロコロナ」政策終了後初の春節を迎え、上海市の外灘(バンド)を散策する団体旅行者ら=1月22日(共同)
中国の「ゼロコロナ」政策終了後初の春節を迎え、上海市の外灘(バンド)を散策する団体旅行者ら=1月22日(共同)

【北京=三塚聖平】中国外務省の毛寧(もう・ねい)報道官は30日の記者会見で、韓国政府が新型コロナウイルス対策で実施している中国からの入国者への短期ビザ(査証)の発給制限の延長を発表したことに対し「遺憾」の意を表明し、「中韓両国の人々の往来や交流、協力に不利益だ」と批判した。中国は29日に日本人に対する渡航ビザ発給を再開したが、韓国への停止措置は継続する構えをみせている。

毛氏は「韓国が不合理なやり方をできるだけ早くやめるよう望む」と強調。韓国側が制限措置を見直せば、韓国へのビザ発給を再開する方針を示唆した。

韓国は、中国からの入国者に対する短期ビザの発給を制限するなど日本より厳しい水際対策をとり、今月27日には発給制限を2月28日まで1カ月延長すると発表している。中国側としては、日本に対する措置を先に解除することで、より厳しい措置をとっている韓国に圧力をかけている形だ。

毛氏は、日本が中国からの渡航者への水際対策の強化を続ける中でビザ発給を再開したことについて「中国への差別的な措置をやめるべきだ」と述べるにとどめ、再開に至った具体的な理由は説明しなかった。

一方、中国メディアは30日、中国国内の感染拡大が昨年12月後半にピークを迎え、今回の感染の波が終わりに近づいているとする中国疾病予防コントロールセンターの見解を伝えた。1月下旬の春節(旧正月)の大型連休でも感染再拡大は起きておらず、新たな変異株も見つかっていないと主張している。

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