群馬「正論」懇話会の第60回講演会が30日、前橋市の前橋商工会議所で開かれ、上武大の田中秀臣(ひでとみ)教授が「防衛増税は必要なのか」と題して講演した。
田中氏は講演で、防衛費増額の財源の一部を増税で賄う政府方針について「経済成長しても税収はそれほど伸びないというのが財務省の見解だが、実際はかなりの税収増が普通の経済政策をやれば実現できる」と強調。「財政危機を心配する前に、今の経済状況を改善することが重要」「岸田政権には経済政策の骨格がない」などと批判した。
日銀の次期総裁人事にも触れ、「積極的な金融政策をやらない人物になるのではないか」と述べ、金融引き締めに転換されるとの見方を示した。景気悪化を防ぐため「積極的な財政政策と金融政策の協調が必要だ」と指摘した。