国際オリンピック委員会(IOC)は29日、声明を発表し、ウクライナへの侵攻でスポーツの国際大会から除外されたロシアとベラルーシの選手について、中立の立場などを条件に復帰を検討する方針としたのは、両国勢を排除するよう求めた勧告が国連の人権理事会から「深刻な懸念」を示されていたためだと説明した。
人権理事会は「国籍だけを基にロシアとベラルーシの選手や役員を国際大会から締め出す」ことに反差別の観点から憂慮したという。IOCは声明で、復帰検討の方針は五輪運動に携わる者の「大多数から支持されている」と強調。両国の選手が中立的な立場に限定され、条件付きで個人参加が容認されているテニスの全豪オープンも例に挙げ、正当性を主張した。
一方、連日IOCを非難しているウクライナのゼレンスキー大統領は29日、「ロシアが(来年の)パリ五輪や国際大会を侵攻や愛国主義の宣伝に使えないことを確認しなければならない」と語り、フランスのマクロン大統領に書簡を送ったことを明らかにした。(共同)