【北京=三塚聖平】中国の習近平政権が、国内大手IT企業に対する統制を巡り「是正完了」を宣言した。ここ数年、中国インターネット通販最大手アリババ集団などへの締め付けを強めたが、「ゼロコロナ」政策の影響から景気悪化が深刻化する中、IT業界を経済回復に利用する方針だ。ただ、巨額の罰金といった劇薬一辺倒を見直すだけで、統制が完全に緩むことはないとみられる。
金融監督トップの郭樹清(かく・じゅせい)氏は今月上旬、国営新華社通信に「プラットフォーマー14社の金融業務の是正は基本的に完了した」と表明した。プラットフォーマーはネット上で情報発信や通信販売などの場を提供する巨大IT企業で、アリババなどへの統制強化に区切りをつけたと宣言した形だ。
今月中旬には中国配車サービス最大手の滴滴出行(ディディ)が、当局に禁じられていた新規利用者の登録を約1年半ぶりに再開したと発表した。