ゴールテープを切る表情には、余裕すら漂っていた。2位を1分近く引き離して29日の大阪国際女子マラソンを制したヘヴン・ハイル・デッセは「大変よいレース。優勝は収穫」と笑みを浮かべた。
ペースメーカーが外れた30キロから一気に加速し、下り坂の32キロ過ぎからはともに走っていた同じエチオピア勢のメセレット・ゴラ・シセイも突き放した。目標は2時間17~18分台だったが、強風の影響もあり「レース展開は考えていた通り。よいタイムだと思う」と胸を張った。
2020年のムンバイのマラソンで2時間28分56秒だったタイムが、翌年のアムステルダムでは2時間20分19秒の自己ベストをマーク。成長著しい24歳の夢は、パリ五輪でのメダル獲得。母国の代表を争うライバルは多いが、今大会の優勝を足掛かりに「さらに良いタイムを出していきたい」と前を見据えた。(嶋田知加子)