上杉、日本人2位死守も「攻めの走り生かせなかった」

レース終盤、吉川(左)を振り切る上杉。日本人2位を死守した=1月29日、長居公園(斉藤友也撮影)
レース終盤、吉川(左)を振り切る上杉。日本人2位を死守した=1月29日、長居公園(斉藤友也撮影)

29日の大阪国際女子マラソンで、全体4位ながら日本人2位となったレースを終えてから1時間半以上。記者会見の場でも、上杉真穂(まお、スターツ)は無念さに唇を震わせた。「すごく悔しい。持ち味の攻める走りが生かし切れなかった」。先頭集団に25キロ過ぎまで加わり、最後まで粘って2位に入った昨年の走りから、進化した姿を見せられなかった。

「30キロまでは先頭集団についていき、そこからトップレベルの選手と肩を並べて勝負したい」。自身が掲げたテーマを見据え、高速ペースの先頭集団に食らいついた。誤算だったのは、ペースメーカーのペースが小刻みに上下したこと。わずかな変化に心を乱され、20キロ手前で足がきつくなった。「ついていくことだけに集中できていなかった部分も少なからずあった」。反省がこみあげた。

それでも、日本人2位を死守したのは意地の一言だろう。一時は5キロ18分台までペースが落ち、第2集団にのみ込まれたが、そこで踏ん張った。集団の後ろに回っても気持ちを切らさずペースを合わせ、時に前に出る駆け引きもしながらライバルたちをふるい落とした。40キロ過ぎで吉川侑美(ユニクロ)や前田彩里(さいり、ダイハツ)を振り切り、中村悠希監督は「追いつかれてから競り勝てたのは収穫だったかなと思う」と評価した。

パリ五輪出場を狙う上では、今回課題が見えたことも成果になる。秋に控えるMGCに向け「監督と話してこれから(対策を)練っていきたい」と上杉。成長を誓った。(小川寛太)

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