ソウルからヨボセヨ

韓中が正月争い

韓国では今月〝お正月〟が2回来たので、年初からずっと新年のあいさつをしている感じだ。そこに中国との間で〝正月争い〟まで起き韓国人たちはいささか正月疲れ(?)である。背景は通常の新暦(陽暦)に加え旧暦(陰暦)上の風習が残っているからだが、今年は1月22日が旧暦の1月1日になり、元日が2回というわけだ。

中国とのトラブルは、ロンドンの大英博物館が韓国の行事を紹介した際、旧正月を「Korean Lunar New Year」と表記したことに中国人たちが抗議して「Chinese New Year」に変わり、これに韓国人らが反発しているという話。韓中の間でよく起きている伝統文化をめぐるルーツ争いのひとつだ。

旧暦は中国起源なので国際的には旧正月を「チャイニーズ・ニューイヤー」ということが多いが、韓国でも風習として残っており「韓国の陰暦正月」と紹介してもおかしくはない。ただ今年、韓国人からもらった旧正月の年賀状には「わが国固有の名節」とあったから、これだと中国人は首をかしげ怒るかもしれない。

韓中の若い世代には〝ガチンコ愛国主義〟が目立つが、韓国は今や先進国になったと自負しているので中国に目くじら立てなくてもいいはず。それに昔は中国文化圏の優等生と誇っていたのだから。(黒田勝弘)

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