大相撲で史上最多の優勝45度を記録し、2021年9月に現役引退した元横綱白鵬の宮城野親方(37)=本名白鵬翔、モンゴル出身、宮城野部屋=の引退相撲が28日、東京・両国国技館で開かれ、断髪式では二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)ら現役時代にしのぎを削った親方衆の他、森喜朗元首相やトヨタ自動車の豊田章男社長ら約280人がはさみを入れた。
同じモンゴル出身で元横綱日馬富士のダワーニャム・ビャンバドルジ氏がはさみを入れた際には涙を拭った。現役時代の師匠、間垣親方(元幕内竹葉山)が大銀杏に最後のはさみ。「体の一部がなくなった寂しさがある。(断髪中は)気持ちの整理がつかず、浮き沈みがあって大変だった」と心境を吐露した。
最後の不知火型の土俵入りも披露。太刀持ちに初場所優勝者として大関貴景勝を、露払いには「同じモンゴル出身で、叔父さん(元横綱朝青龍)との縁もある」との理由で関脇豊昇龍を従えた。
宮城野親方は07年夏場所後に第69代横綱に昇進。通算1187勝など数々の史上1位記録を樹立した。