奈良で古都伝統の若草山焼き 3年ぶり通常開催

3年ぶりに通常開催された若草山焼き=28日夜、奈良市(午後6時20分から午後7時19分までに撮影した写真26枚を比較明合成、恵守乾撮影)
3年ぶりに通常開催された若草山焼き=28日夜、奈良市(午後6時20分から午後7時19分までに撮影した写真26枚を比較明合成、恵守乾撮影)

奈良市の若草山で28日、冬の恒例行事「若草山焼き」が開催された。直前までの雪の影響で例年通りには燃え広がらなかったが、所々で立ち上る炎が古都の夜空を照らした。昨年までは新型コロナウイルス禍で山周辺の観覧者制限などがあり、今年は3年ぶりの通常開催となった。

山焼きに先立ち約600発の花火が打ち上げられた。ほら貝とラッパの合図で消防団員約300人が山肌に一斉に点火した。京都府精華町から訪れた会社員、高島智子さん(59)は「数年ぶりに多くの人と一緒に山焼きを見ることができて良かった」と話した。

市街地のほど近くにある若草山は、標高342メートル。山焼きは明治33年から続く伝統行事で、山頂付近にある鶯塚古墳の被葬者の霊魂を鎮めるため山に火を付けたのが始まりとの説がある。現在は防火や世界平和などの願いが込められている。

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